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「夏の名残りの薔薇」恩田陸
夏の名残りの薔薇

「夏の名残りの薔薇」恩田陸



綺麗な題名、綺麗な装丁、そして綺麗なお話です。
一言で言うと、「藪の中」というのがわかりやすいでしょうか。ただ、一つ大きな違いがあります。
「藪の中」では、一人の人物が亡くなってしまいます。これを事実と認識した上で、誰の手にかかったのか(あるいは、自らの手によって)、というふうに物語が進みます。
ところが、本作品においては、何が事実なのか自体がなかなか明らかになりません。そんな調子ですから、話も理詰めで収束することもありません。恩田作品の一般的な終結の仕方、とでも言えば良いでしょうか。

恩田陸さんのデビュー作「六番目の小夜子」はしっかり結末づけられていました。確かに納得はするのですが、試験じゃないんだからそんなにしっかり答えを出す必要はないんじゃないのかな、というのが読了時の感想でした。最後の「謎の交通整理」みたいな部分は半分位でいいかな、なんとなく、と。

本作品では、そういった解説のようなものはほとんどありません。もう、読了とともに放り出されます。首までどっぷりと浸かっているときに、いきなり放り出されるので、作品の余韻にじっくりとひたることができます。誉めてるのか、けなしているのかわからないようですが、誉めてます。とても興味深くよむことができました。

この本の巻末にはボリュームのある解説と恩田陸さんのインタビューが掲載されています。いくつかの作品に対する作者自身の思い入れを垣間見ることができます。恩田ファンなら(ひょっとして作品よりも)楽しめると思います。



夏の名残りの薔薇



恩田陸さんの本を探す


本(恩田陸) | 【2006-03-01(Wed) 21:09:20】 | Trackback:(3) | Comments:(4)
コメント
意表をつく人が最後にくる、ていうのが恩田的スタンダードなのでしょうか。わたしも自動車営業マン役不足に一票です。

でも、おっしゃるようにこの雰囲気はなかなかないですよね。好きです。

また、お越しください。
2006-03-07 火 08:32:08 | URL | akakak #- [ 編集]
そうなんです。

読後感はとっても「よい」というのは間違いないのですが、文章にするとどうも・・・。

いろんなブログをみても、とても評判がわるいみたいなので、すき、という人がいるとなんとなくうれしいです。
2006-03-07 火 08:26:49 | URL | akakak #- [ 編集]
確かにあまり引き際が良くなかったですよね。私も、謎の交通整理とは思わなかったんですけど(笑)、でも半分ぐらいでいいと思いましたよー。そう考えると、恩田さんの終わり方って、なんだか極端から極端にいってますね。(笑)
最後の章の人物がちょっと役不足に感じられてしまって、それだけが残念だったんですけど、でもやっぱりこの雰囲気は大好き。余韻にもたっぷり浸りました。
2006-03-07 火 05:31:57 | URL | 四季 #Mo0CQuQg [ 編集]

>誉めてるのか、けなしているのかわからないようですが、誉めてます

なんかわかります。その感想(笑)。
恩田さんの本を読むとなんだかそういう感じになりがちですよね!大好きなんですけど!
2006-03-06 月 11:20:04 | URL | chiekoa #- [ 編集]
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【2006-03-06 Mon 11:19:10】 | + ChiekoaLibrary +